風がページをめくる 雑読散歩

気ままな読書散歩はただいま2400歩。ページをめくると子どもの頃を思い出したり、将来を思い描いたり、反省したり、憧れたり……歩いた先には何が待っているのか。わたしは、わたしが読んだ本でできている。フフフ

古典

『猫の日本史 猫と日本人がつむいだ千年のものがたり』桐野作人・吉門裕著(2814)

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「肉球遺跡」
古墳時代後期のものと思われる須恵器片に猫の足跡が発見された。弥生時代の遺跡からイエネコの橈骨が発見。猫の起原は弥生時代。でも、「古事記」や「万葉集」には猫の姿はないそうなの。

寛平元年(889年)宇多天皇の猫日記
朕閑時、述猫消息曰(ひまをみつけたので、猫について綴る)
「猫は浅黒いものなのに、これだけは墨のように漆黒だ。…」と猫の特徴を書いているのです。

花山天皇は美しい義母(三条の太皇太后宮)に猫を贈っている。
「しきしまの 大和にはあらぬ 唐猫の 君がためにぞ もとめ出たる」という歌を添えて。
2024年の大河ドラマで、話題の花山天皇です。
この本によると、
超一流の歌人で、多才。艶聞も多く、17歳で皇位につき、さる女御に夢中になった。が、懐妊中も寵愛ひとかたならず、まもなく女御は亡くなった。
仏教にも傾倒していたので、世を捨てたい心境になった。「一緒に俗世を離れます」と立候補した臣がいた。なのに、帝がアタマ丸めたとたん「家族に別れを告げてきます」と逃亡。それは、兼家の子・道兼であった。
きゃ〜

天皇に寵愛された猫、猫に転生した姫君、豊臣秀吉の愛猫失踪騒動、江戸時代のメディアをジャックした猫…。源氏物語から戦国大名、滝沢馬琴、夏目漱石まで、猫と日本人の歩みを珠玉のエピソードでたどる。 



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『平安貴族サバイバル』木村朗子著(2788)

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平安時代の宮廷社会を生き抜くためのノウハウは今の日本社会を生き抜くためのスキルに似ているのでないだろうか。
誰もが平等に機会を与えれることになっているが、実はそれは欺瞞であることは 経済格差が広がるにつれ意識されてきている。

見た目とセンスの男社会、教養を武器に女主人を支えるエージェントとしての女房、天皇の縁戚になるという一大プロジェクト。で、呪詛…。

 寵愛を得るには知性が必要。学び、センスに磨きをかけなければ生き残れない。
学問、音楽、和歌。個性。

生き残ることと、幸せは同じではないかも知れませんけれどネ。

大河ドラマ『光る君へ』興味深く観ています。


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『枕草子いとめでたし!』天野慶著(2714)

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各段の一部を取り出して、訳、段のあらすじ、解説しています。
難しい話を聞くときは 
「説教の講師は」の段から
お経の講義をするお坊さんは、顔の美しい人がいい!
じいっと見ちゃうから、話しもよく聞けるわ!

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おいおい‥まあね。
ウフフ
1000年前に書かれたのに、この気持ちわかる!
これは、小学生新聞の人気連載されていたものなんですって。
絵事典には、草子や高坏、脇息、几帳、牛車(八葉車)などが絵で紹介されています。

学校の授業の光景が目に浮かびました。


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『ことのは!万葉恋日和』青沼裕貴著(2708)

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1300年前の皇子・皇女たち、今を生きる私たちと同じように恋をした。
「万葉集」のなかの恋歌5編を漫画で。
仁徳天皇の皇后・磐姫皇后の歌
「ありつつも 君を待たむ うらなびく 我が黒髪に 霜の置くまでに」
この歌で夫婦関係が改善。その人柄も伝え継がれている。

万葉集は奈良時代に詠まれた歌集で、天神様こと菅原道真にはまったく読めなかった!?
全文漢字でそれも当て字。現代の若者言葉に似ているかもね。
それでも、継承者の努力と愛によって生きながらえた。のですね。


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『マンガ日本の古典27心中天網島』里中満智子著(2326)


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近松門左衛門、浄瑠璃、歌舞伎の戯曲作家。
里中先生のマンガなのでめくってみました。

近松は当時実際に起こった世間をにぎわす事件をもとにしたドラマをつくり。
ワイドショー的感覚で、しかも人間の本質を詩情豊かに見せ、熱狂的に支持された。

『心中天網島』
享保五年10月16日の事件をもとにつくられた。
遊女の小春と紙屋の治兵衛。治兵衛には妻も子もあるのに。
このころ、心中事件が多発、幕府は厳しく取り締まる。

『女殺油地獄』
複雑な事情の家庭ゆえ、子を甘やかし、こらえ性のない大人に。
金を貸してくれない、油屋のおばを殺してしまう。

『槍の権三重帷子』
 松江藩でおきた、小姓と人妻の不義密通。
夫の浮気は認められても、妻の場合は討ち果たされて当然だった。

『曽根崎心中』
 遊郭のお初と客の徳兵衛との恋。あの世で添い遂げられるようにと。


絵がきれいで、感情移入して仕舞いました。
戯曲なので、マンガで読むほうがいいんじゃない。
他の作品も読みたいです。
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『マンガ日本の古典13 とはずがたり』いがらしゆみこ著(2295)


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昭和15年に世に初めて紹介されたという作品。
そうだよねぇ。衝撃的。スキャンダラス。

後深草院の後宮に入った二条という一人の女房が、36年間に亘る自らの半生をつづった日記・紀行文学。
鎌倉時代、ややもすれば退廃的な宮廷の世界で数奇な体験を重ねつつも、出家し自己を確立していく。

母を亡くし、後深草院のもとで育つ。
思う人がいるのに、御所様の後宮入り。
その後も御所様のいうとおりに、他の男性と。子どもも出来て。
思う人とも・・・。

彼女が特別なのか、他の女房も同じなのか。


御所での味方は女たちよりも
いつもからだを与えた男ばかりだった。
そんな自分を肯定するしか
生きる術がなかった。

女同士助け合わなければ…

後深草院二条 我が名は女

宮中の女性には名前がなかった。
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『マンガ日本の古典6 和泉式部日記』いがらしゆみこ著(2284)


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死別した恋人の弟との愛と苦悩の約10ヶ月の日々。

「浮き女」と噂された平安中期の歌人和泉式部。
夫のいる身で、為尊親王との恋に燃えた。
その親王が亡くなり孤独と悲しみの中にいる。
そこに、弟宮が文をよこすようになり…
弟宮には正妻がいる。醜聞の渦中に身を投じる式部。

なにをしたって 人の噂にのぼるのならば、この世でどこまでも流されてみよう
宮中で弟宮に使えることになった式部。
里に帰る正妻。
両者の揺れ動く心情を呼んだ147首の歌と自伝で綴られる。


式部は石山寺詣で、僧に恋していることを打ちあけると、
僧は、「山の緑も色を変えやがて散る。誰も止められない。生きているうちはご存分に」

本当にそんなことを、僧は言ったのかしらん。
文。それはメールネ。返信で一喜一憂したり、返信がないことでもやもやしたり。


4年後弟宮は病死。
後、中宮彰子に出仕。
式部の晩年は誰にも知られていない。

「あらざらむ この世のほかの思ひ出に 今ひとたびの あふこともがな」
百人一首 和泉式部

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『マンガ日本の古典2落窪物語』花村えい子著(2278)


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世界最古のひとつの、継子いじめ物語。
「枕草子」以前にという説もあり、
作者不明。

継母の奸計によって床の落ち込んだ部屋に閉じ込められ、縫い物をさせられている、心美しい薄幸な「落窪の君」の行く末は。
お仕えする、阿漕(あこぎ)という女性の目線で書かれています。
美しさと心ばえが貴公子に見初められて・・・
ああ、まるでシンデレラ?
脱出、復讐、両家のその後・・。
妙にリアルでな話で、もしかしたら実話?。

この話、まったく知りませんでした。

”継子の尻拭(ままこのしりぬぐい)”という山野草があります。
小さい草なのですが、細かい刺があります。
これで継子の尻を・・・怖いよ〜

シリーズ32話ほどあるようなので、読破したいです。

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『日本最古の災害文学 漫画方丈記』鴨長明著 信吉画(2278)


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火災、養和の飢饉、大震災、源平の合戦、福原への遷都…。

平安時代末期に、さまざまな禍を体験した鴨長明。
その生涯を晩年に綴った「方丈記」のストーリーと共に、漫画でわかりやすく紹介する。

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解説:養老孟司
すべてのものは移り変わる
情報とは「変わらない」もの。
国民一人一人が番号化される。
番号は「変わらない」
本人は歳をとり、変わっていく。でも番号は腰が曲がったり、シワがよったりしない。

自分に必要なものは何か
ものを持たないからいいのではない。
本人が自足しているのがいい。
自足している人は他人のことをあれこれ言わない。
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この草庵を愛するのも
閑寂をよしとするのも
執着なのではなかろうか

『方丈記』は学校で始めて触れたときから
ずっと心にささっていてね。
お金持ちに縁が無かったからかもしれません

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『マンガで読み解く真説・古事記』関裕二著(2096)


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『古事記』の摩訶不思議な神話の森に迷い込めば、日本人の心の奥底に眠っている原始の宇宙観に気づかされるだろう。

マンガなので、キャラクターで神様を見分けられます。
神様のお名前が長くて難しいのですからね。

たくさんの神様を愛でる日本人。
そのルーツが古事記にあります。

古事記の本は一応、手に取りたくなるんですよね〜。
色々な本で何度も読むことで、ちょっとずつ理解できるようになるかな。


受け継がれてきたおだやかな多神教的発想の原典。
これが日本の創世記だ!
「古事記」上巻、および中巻の神武天皇の記事を原文に忠実にコミカライズ。

 

 

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