あまたなる色に出逢い、色にときめき、色に遊ぶ贅沢…。
12の月を巡りながら、心に響く風景と、そこに顕れし伝統の色を、時に日本の文学作品とともにご堪能ください。(表紙裏)
夢見月の章 陰暦の二月
白梅色
白梅のような、ほんのりとした赤みを帯びた色。白色に近く、やさしい雰囲気を持つ。
梅が香の立ちのぼりてや月の暈 与謝蕪村
ちなみに、陰暦の2月1日は、3月10日あたります。
私が好きなのは この色。
菖蒲月の章 陰暦五月
楝色(おうちいろ)と紹介されていました。
淡い紫色の花を咲かせる栴檀(せんだん)の古名に由来する色。栴檀は香木としても知られる。
こんなおだやかな月夜の晩は、こちょうが人間ばけて、夜遅くまで起きている家を、たずねることがあるものだ。
『月夜とめがね』小川未明
日本には名前の付いているものだけでも千色以上の色があるといわれているそうです。
それは、豊かな自然、風土がもたらした、繊細な感性。
失うのは、モッタイナイ!